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道程の楽しみ方

 小説家を目指し、日夜思考中。その中で気づいたり、感じたり、些細な本音を語りたいと思います。興味のない方はご遠慮ください。   ※注意事項です。当ブログ内で、小説は公開していません。期待していらっしゃる方にはごめんなさい。

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Ⅶ 『ホテル』より

「とてもたのしかったわ。そろそろ家へ帰ろうかしら」と、クリスティンがいった。
 駐車場へ戻る途中で、ポール箱と刷毛(はけ)をもった黒人の小さな少年が彼らを呼びとめた。
「靴を磨かせてよ、おじさん」
 ピーターは首をふった。「遅すぎるよ、きみ」
 少年は彼らの前に立ちはだかって、ピーターの足もとを見た。「じゃ、おじさんがその靴をどこで手に入れたか、あてるから、二十五セント賭けてよ。もしあたらなかったら、ぼくが二十五セント払うからさ」
 彼の靴は、一年前にニュージャージー州のテナフライで買ったものだった。「よし、いってみろ」と、おもしろ半分にいった。
 少年は星空にむかって目をぱちくりさせた。「えーと、その靴は、おじさんがそれを買った店で手に入れたんだ。あたった?」
 二人はどっと笑った。ピーターが二十五セント銀貨を払うと、クリスティンは彼の腕をとった。二人はクリスティンのアパートへ車を走らせている間、笑いつづけた。


『ホテル』 201ページより抜粋。

 著者 アーサー・ヘイリー
 訳者 高橋豊


 いささか古い小説――原作は一九六五年出版――ではあるが、緻密な舞台設定をしている作者として有名である。その代表作『ホテル』からの抜粋。ストーリーとはあまり関係ない箇所ではあるが、私も笑った。
 実際、食事をしてアパートに向ったのだから、ここは削除しても問題がない。抜粋箇所の始めの一行と最後の一行だけをみても、筋が通る。だが、この余分な文章のユーモアに舌を巻いてしまう。私の小説にも、こういうくだりが欲しいものだ。


Ⅶ 表現 | コメント:0 | トラックバック:0 |
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