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道程の楽しみ方

 小説家を目指し、日夜思考中。その中で気づいたり、感じたり、些細な本音を語りたいと思います。興味のない方はご遠慮ください。   ※注意事項です。当ブログ内で、小説は公開していません。期待していらっしゃる方にはごめんなさい。

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Ⅶ 『彼女がその名を知らない鳥たち』 沼田まほかる

 冷蔵庫を開けてみるが、ミネラルウォーターはほんの少ししか残っていない。ペットボトルを逆さまにして最後の一滴まで垂らしても、コップに半分にしかならない。その半分を飲み干し、中途半端に癒された渇きにかえって耐えられなくなって、缶ビールを取り出す。流しの前に立ったままビールをあおり、借りてきたばかりの映画のなかから、さらに一本観ようかどうしようか、陣治が帰ってくるまでに観きれるかどうかと思案する。
 なぜこのとき急にピアスの箱を開けてみる気になったのかわからない。冷蔵庫を開いたときにも、缶のタブを引き開けたときにも、ピアスのことなどまったく頭になかったのに。もしかしたら、夕方のベランダで黒崎に靴を買ってもらったことを思い出したりしたせいかもしれない。黒崎にもらった品物で今も残っているのは、クリスマスに贈られたあのプチダイヤのピアスだけだ。


『彼女がその名を知らない鳥たち』 28ページより抜粋。

 著者 沼田まほかる


〝なぜこのとき急にピアスの箱を開けてみる気になったのかわからない〟
 私もわからなかった。だが、読んでいて凄い! そう思ったのは事実だ。思いついた瞬間というか、思い出したのか。これ以降と以前では、内容が変化している。その転換する言葉が先ほどの言葉である。
 女性作家の感覚だろうか。いやはや見習わなければならない。


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