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道程の楽しみ方

 小説家を目指し、日夜思考中。その中で気づいたり、感じたり、些細な本音を語りたいと思います。興味のない方はご遠慮ください。   ※注意事項です。当ブログ内で、小説は公開していません。期待していらっしゃる方にはごめんなさい。

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Ⅳ 描写

 すこしだけ吐き出させてもらいたい。ちょっと、溜まっているのかもしれない。創作に興味がない方には、退屈なだけだと思う。けれど、吐き出させてもらう。


 いったい、どこまでが描写なのだろうか。



 右手に掴むグラス。それを飲む男。彼が手にしたものはグラスであり、飲んだものは水だ。だが、彼の乾きは癒せない。グラスを傾け、喉を鳴らす。何度か繰り返してみても、潤うことはなかった。



 彼になにがあったかということは、ここで問題にしていない。彼がグラスに注がれた水を飲むことを描写したのだ。それが明確に伝わっているのだろうか? これは読み手の中で、絵になっているのだろうか?

 動きを描くことで、心情を写す。心を抜き出すことで、身体が動く。



 彼の手からグラスが滑り落ちた。グラスは砕け散ったが、彼の耳に入らない。彼を捉えたものは、その瞳に映った彼女だけ。彼女の口が動く。彼は必死に唇を見た。



 伝わることが前提であり、伝わらない描写など意味をなさない。

 彼が驚いたことが伝わり、彼が彼女を見て固まっていることがわかるだろうか?



 さよなら。彼女は繰り返す。か細い声すら、彼には聞こえない。グラスの破片を踏んでいることさえ、自覚できない。彼は詰め寄る。彼女の腕を掴もうと、右手を伸ばした。



 ここまでくると、彼と彼女の〝物語〟が見えてくるだろうか? 作者である私ではなく、読み手である〝あなた〟に見えているだろうか? 無意識のうちに彼の身体が動いている。彼女をどうしたいというのだろうか?



 伸ばした手は届かなかった。背中を向けた彼女がなにかを言っている。彼には彼女が泣いているように見えた。だが、理解ができない。彼女がなにを言ったところで、聞く耳がなかったのだ。彼はとらわれる。彼女の背中が遠のいていく姿を、瞼に焼き付けてしまった。



 このへんで終りにしたいところだが、ちゃんと描写できているのだろうか? ここまでの物語に会話らしい会話は――直接話法は「さよなら」だけである――ほとんどない。それでも、読み手に伝わっていたら成功だといえる。伝わらなければ失敗である。

 いったい、どこまでが描写なのだろうか? 小説全体が描写だともいえるし、たった1行だともいえる。文章を突き詰めていくということは、思った以上に大変そうだ。

 だからこそ、こんな文章も書きたくなる。


 では、また。


Ⅳ 創作 | コメント:2 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

 いま、書いていないわたしがコメントを残すのも、どうなんだろうか? などと考えていました。

 みえますよ。伝わりますよ。彼の動き、物語も、彼の心の動きも。

 気になって仕方がないのなら、さじ加減かもしれませんね。

 例えるなら、モノクロームに色を一滴落とすような感じ。

 塩は足りているけれど、こしょうがたりないとか。

 くらいのさじ加減です。

 具体的にいうのなら、活きた一行が足されれば、もっと活きた描写になるということでしょうか。

 グラスという重要な小道具の表情が、一行目と後とで変わってしまう。理由は屁理屈のようなものなのですけれどね。

 彼と彼女の実際的な距離感がつかみづらい。

 という、多少の疑問はちらつきますが、みえますし、伝わってきます。

 でも、これらのことは応募作では、きちんとなされていることなのだろうなと思います。

 ここまで、追求されているmisakaさんの姿勢が好きです。

 応援しています。

 ※ 読み終わった後は、削除なされてもかまいませんので、お任せします。
2009-08-24 Mon 05:48 | URL | ほしのよる [ 編集]
 いえいえ、保存させて頂きます。

 励みにして、頑張ります!

2009-08-24 Mon 08:43 | URL | misaka [ 編集]

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